日本の法律を国民の手で変えようの会

日本のおかしな法律を変えなくては未来が危うい!

日本の社会保険料の異様な高さが失われた30年をつくった(年金保険料編)

この記事では日本の社会保険料が異様に高いために、日本の景気がずっと悪く、それ故に実質賃金が30年以上も上がっていないという社会問題について書きます。

 

社会保険料というのは、年金と健康保険と介護保険雇用保険労災保険の5つの保険料を合算した保険料金のことです。これらの保険料は一定水準以上の給与所得者ならば、給与から自動天引きされ、それ以外の人では個別に地方自治体に対し支払うことを義務を課されています。

 

今回問題視する保険料は、この5つのうち年金と健康保険と介護保険の3つです。というのも、残りの雇用保険労災保険は給与に対してそれほど高い税率がかかっていないので、今回は無視することにします。問題なのは、年金・健康保険・介護保険です。

 

日本人は一年にどれだけの年金・健康保険・介護保険を支払っているか?

実際に私たちが年にどれだけの額の社会保険税を支払っているのかを見ていきましょう。最初に年金から見ていきます。

国民年金・厚生年金

国民年金第1号被保険者は1カ月当たりの保険料は16,590円です(令和4年度)。1号被保険者というのは、厚生年金に加入していない人のことです。すなわち、自営業者や農業者、学生、そして厚生年金に加入できる要件に達していない低所得者もそうです。

 

次に厚生年金の額を計算します。厚生年金の額は国民年金とちがって、16,590円などと固定された価格ではなく、労働者の給与や報酬に保険料率(18.3%)を乗じて算出されます。

 

例えば給与が月額98,000円だとすれば、98,000 * 0.183 = 17,934円。そして、厚生年金は労働者と雇用者で保険料を折半するので、実際にこの労働者が一ヶ月に支払う保険料は17,934 / 2 = 8,967円になります。

 

この低賃金労働者が一年に支払う厚生年金の額は、夏と冬にボーナスが10万円ずつあると仮定すれば、( 8,967 * 12 ) + (100,000 * 0.183 * 2 ) /2 = 125,904円になります。

 

つまり、この労働者は年に1,376,000円しか稼ぎ出せないのに、そのうちから年金だけで125,904円も徴収されるというわけです。残ったお金は125万程度であり、さらにそこから健康保険料や介護保険料(40歳以上であれば)、住民税も抜き取られるのです。

 

もっと悲惨な存在もいることを忘れてはいけません。それは厚生年金に加入すらできない極限の低賃金労働者です。彼らは雇用者と折半するなんていう事は出来ず、固定の金額16,590円を毎月支払わなければいけません。そして、同じように健康保険料やら住民税やらを徴収されます。

 

ビジネスがうまくいっている自営業者や、親が金持ちの学生はいいでしょうが、そうではない人たちはどうなるでしょう?考えただけでもゾッとする話だと思います。もちろん免除制度もありますが、必ず通るとはいい切れません。国や自治体はこれほどの低所得者に対しても情け容赦がないことを覚えておくべきです。

 

次ページ国保についてです>